スレート屋根、2つの寿命の意味、耐用年数

スレート屋根
屋根A:築22年: スレート屋根、 屋根B:築25年、同スレート(お客様はコロニアルと言っていました)
葺き替える必要があるでしょうか? 耐用年数には2つの要因があります。

スレート材の寿命と屋根の寿命・耐用年数は同じと思われていますが、違います! 
スレート材の寿命とスレート屋根の寿命(屋根の寿命)とは違っていて、同じではありません。 屋根の寿命、耐用年数の考え方には2つあって;

屋根の耐用年数には、2つの意味があります。 スレート屋根でも同じ
  1. 見栄えの寿命、耐用年数、スレート屋根の劣化がひどくなったから、スレートの寿命か?
  2. 雨漏りがあちこちで発生、屋根の寿命、つまり雨・風から家を守れなくなった。

屋根の寿命が来たというときは、屋根がひどく劣化して、見苦しいほどになったから葺き替えよう。交換しよう。 見栄は、家の意匠を保つ重要な屋根の機能です。 屋根は家そのものですから、外壁と同じように汚れたら洗浄する、塗装が剥がれたら再塗装をする、壊れたら交換します。

もうひとつの重要な機能である家を雨・風から守る機能。 この機能が失われたら、スレート屋根の葺き替えです。この2つの機能をごっちゃにして、スレート屋根の劣化を考え葺き替えようかどうしようか考えると、混乱しますし、屋根屋の言うことが分からなくなります。 騙されます。上手く葺き替えに誘導される恐れがあります。

スレート屋根の家を雨・風から守る機能

スレート屋根の葺き替える時期:葺き替えたいのか?葺き替えが必要か?

上の2つの写真、どちらも劣化があります。しかしどちらも20年以上も経っていて、そろそろスレートの寿命です
が、雨漏りは1回もしていません。 さあ葺き替えが必要ですか? 答えは「NO」です。 どうしてスレートの寿命が来たら葺き替える必要があるのですか? これ重要な命題です。 スレートが劣化しても、雨漏りが起きていないのでしょう? でしたら葺き替える必要はありません。

しかし、この2件のお客様は、結局葺き替えをしました。 何故か?それは雨漏りを心配していたのではなく、家の外観をより気にしていたのです。葺き替えようと思ったのは、スレート材が劣化してて家の外観を気にされたから、それと、定年退職をされて、そのタイミングで退職金がでたので、あまり年を取ってからのリフォームには不安がある。この先どうなるかわからないので ・ ・ ・ 経済的な要因と外観を鑑みて葺き替えを決断したとおっしゃっていました(屋根Aのお客様)、屋根Bのお客様は、やはり雨漏りはなかったのですが、屋根材の端が劣化してきて、この家を建築した工務店のアドバイスが気にいらず、経済的な面と、将来の備えとして、葺き替えを決断したようです。 お金に余裕が有るうちに家の要をきちんとしたいという方は多いです。

では、雨漏りの機能的には、スレート屋根はいつが寿命なのでしょうか?外観を全く気にされないのでしたら、上の状態は葺き替えを必要としません。 スレート屋根の寿命でもありません。スレートの寿命を規定するのは難しいですが、このまま放置すると、やがて材料のひび割れ、欠け(欠けは既に発生)、曲がり、反り、剥がれがひどくなり、雨水がどんどん中に侵入します。そうなったらスレート屋根の寿命と思います。

スレート屋根の寿命とルーフィング(防水材)

しかし、ルーフィング(防水材)がまだきちんとしていれば、雨漏りは発生しません。 雨漏りを防いでいるのは、スレートではなく、ルーフィングだからです。このルーフィングが生きていれば技術的には、屋根を葺き替える必要性はありません。 言い過ぎかもしれませんが、スレート材が全て失われてもルーフィングだけで雨を防ぐことが可能です。 スレート材料はルーフィングを守る為に施工されている様に思えてきます。
 (実際はスレートは家の外観を作っているそのものですので、そちらのほうが重要な機能です。)

スレート屋根の寿命としては、ルーフィングの寿命なので、 20年程度、ですから20年を超えたころから、雨漏りに注意をして、居間、台所、トイレ、ダイニングなどは常に居る場所なので雨漏りは直ぐに発見できると思いますが、押入れ、廊下、納戸、寝室ほか普段あまり気にしない、使わない部屋は特に注意して、もし雨漏りが発生したら、直ちに修理です。 しかし、1回の雨漏りでも屋根の寿命ではないと思います。 雨漏りが何回も短期間で繰り返し発生したら、それはルーフィングの劣化によって防水機能が無くなった証拠ですので、スレート屋根の耐用年数が尽きた時です。 スレート屋根の寿命です。

スレート屋根の寿命の前に葺き替えても良いですが・・・

屋根がが喜びます。お助け隊も嬉しいです。仕事が貰えますから、営業的には葺き替えて貰いたい。当たり前です。 しかし、訪問業者に言われて葺き替える必要もなく、外観もそれほど気にしないのに、業者に「放置すると、大変なことになる」と言われて葺き替えてしまうお客様からの電話相談が後を絶ちません。 しっかり解説しておきます。 ・ ・ ・ 葺き替えても良いのですが、本当のことを知って、検討して貰いたいと思います。

普及品(良く使われる)のルーフィングの耐用年数は、 20年程度ですので、スレート屋根の耐用年数もそれくらいですが、20年で葺き替えてくださいという意味ではありません。 雨漏りも無く、30年以上もっているスレート屋根は多くあります。 (15、16年でスレートの葺き替える屋根も当然あります。 ルーフィングがだめになった場合もありますが、しかし、この場合はスレート材料の問題の方が大きい。 ・ ・ ・ 詳しくはお電話ください。

スレート屋根に使われる住宅屋根用化粧スレート

スレート屋根(JIS規格では、住宅屋根用化粧スレート)は、主原料としてセメント,けい酸質,石綿繊維質原料,混和材料などを用いて加圧成形したもので、スレート屋根の主な劣化原因は、温度の変化(季節要因、1日の変化)、湿気、紫外線、水分(雨、乾燥)、地震、風による家のちょっとした、しなり、移動、揺れによるスレート屋根への負荷などです。

スレート材(カラーベスト、コロニアル)はアスベストの規制(2006年9月施行)が始まる前までは、石綿をセメントで固めたもので、湿度が高い場合は、水分はスレート屋根に浸透していきます。 真冬はこの水分が凍結して体積が膨張します。 昼には温度が上昇して収縮します。 スレート屋根が温度変化による膨張、収縮を長年繰り返すことによって、徐々に材料の強度が落ちていきます。 割れ、欠け、ひびなどは、5,6年経過から観測されることもあり、10年ぐらいでスレート材が固くなり、もろくなる場合も出てきます。 また一方 20年ぐらいで、防水の主役である、ルーフィングの耐用年数で、防水機能を失い、雨漏りの事例が多くなります。

スレート屋根の寿命もその家が建っている気象条件によってまちまちであり、メーカーもはっきりとした耐用年数の仕様は公表していません。 しかし、概ね20年ぐらいが、耐用年数と考えられています。 もちろんもっと長いという業者さんもあります。 実際 30年経たルーフィングても防水機能は全く問題ない事例もたくさんありますので、一概に20年経過したら交換ということにはなりません。

スレート屋根の再塗装は必要か?

これもかなりの数のご相談を受けます。半数の方が葺き替えが得か塗装が良いのか? と迷われています。私の答えは、寿命が十分に残っているのなら、やる価値は十分にあるので、やった方が屋根は綺麗になりますし、塗装屋も儲かります。再塗装してもOKです。 しかし、築20年で残りのスレートの寿命がもう無いにも関わらず塗装するのは、次の季節には、雨漏りが起こって葺き替えなければならなくなる可能性、危険度が高いのに、最塗装しますか? です。 塗装のお金が無駄になる可能性大です。 それならいっそのこと葺き替えをした方が良いし、「お得です」と回答します。 

寿命が十分に残っていれば、最塗装は意味のあることです。 しかし、どのくらい、築何年までなら良いのか?の質問は回答が難しいです。 築 10年まら問題ないと思います。 じゃ18年では? ・ ・ ・ スレート材料の寿命が20年というのも目安なので、具体的に何年とは言えないです。 でもここにつけこんでくる業者もいます。

スレートの塗装はスレート屋根の寿命を延ばすか?

屋根の塗装業者は、まず間違いなく、「スレート屋根の最塗装は屋根の寿命を延ばします。」
「良い塗料を使えばあと7~8年は大丈夫」と言います。 本当でしょうか?

スレート屋根は、金属材料のように錆で劣化するものではないので、塗装が寿命を延ばすか?という問いかけには、だれも正確なデーター、根拠を示せないと思います。 水分、湿気は材料の上ばかりではなく横、下部分からも供給されますので、いくら材料の上側だけ塗装しても、劣化を止めたり遅らせる要因にはなりません。 ですので再塗装は美観の問題です。 苔、カビ、誇りの着いたスレート屋根を頻繁に見ますが、屋根の機能に問題ないものは沢山あります。 美観の為に高圧洗浄+再塗装は意味がありますし価値があります。 しかしスレート材の耐用年数、寿命にはあまり関係がありません。

そもそもスレート材料は、アスベスト(石綿)をセメントで高圧縮した製品です。 厚さは3mm程度、側面もあり裏面もあります。 劣化は、湿気、温度、太陽の紫外線などがあります。 例えば冬は、スレート材料の中の湿気が夜温度が氷点下になると、水分が凍って体積がほんの僅かですが増加します。 そして暖かくなると元に戻ります
これを毎年、枚季節、繰り返すことで徐々にスレート材料が劣化していきます。やがて何年か後にヒビとなって現れます。 また夏、強い太陽光線にさらされると、裏と表で温度が違うと膨張する割合が違って、反りが出てきます。 塗装は表の表面しかスレートを保護しませんし、塗装は断熱の機能はありませんし、防水ができても、側面や裏側の防水はできません。よって塗装は、スレートの完全な保護にはなっていないのです。

少なくとも、塗装で耐用年数、寿命を延ばすことができるというのは、間違いです。
スレートの板は幅910㎜、縦長500mm程度、厚さ5㎜程度のアスベストを圧縮成型したもの

スレート屋根、アスベストの問題

以前は、建売住宅の殆どで、瓦の重量の1/2と軽量、安価のため、家の骨組み構造を簡略化でき、住宅の建設費用を抑えられることから、盛んに使用されました。 しかし、アスベスト(石綿)は、塵肺、肺線維症、肺癌、悪性中皮腫(ちゅうひしゅ)などの人体への健康被害が明らかとなり、労働安全衛生法施行令、平成18年(2006年)9月1日施行で石綿(アスベスト)の全面使用禁止令が発令されました。 製造・販売の禁止です。 (厚生労働省) 「石綿をその重量の0.1%を超えて含有する全ての製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されました」。 今現在使用しているアスベストいりのスレート屋根(カラーベスト、コロニアル、フルベストなど)を葺き替える場合、その屋根材を撤去、解体する場合は、空気中に粉塵を巻き上げないように、近所の迷惑にならないように、養生をしなければならいですし、その産業廃棄物は、アスベルトの廃棄処理ができる専門の業者に依頼しなければなりません。 
 (解体、廃棄処分の費用が余計にかかります)

***** 石綿とは、天然に産出する繊維状の鉱物のこと *****

身近に石綿が含まれているスレート材があっても、アスベストが空中に浮遊することはなく、危険とは言えません。
アスベストは、その細かい繊維が空中に離散、浮遊し、人が吸引すると危険であると言われています。
スレート屋根のように、セメントで強固に固めた状態では、繊維が飛散する可能性は極めて低いです。 
但し、切断・研磨、破壊などを行うと、飛散する可能性があります。

上記のスレート屋根は、名称が、石綿化粧スレートとも言い、メーカーの商品名は、カラーベスト、コロニアル(旧クボタの商品名)、フルベスト(旧松下電工外装の商品名)と言う。
一般には、スレート材、しかし、天然の石を薄く加工したものもあり、元はこちらをスレート材と言ったが、区別するために、天然のものを、天然スレート材と言う。  

労働安全衛生法施行令及び石綿障害予防規則の改正
平成18年8月2日公布・平成18年9月1日施行

・代替が困難なものを除く石綿及び石綿をその重量の0.1%超えて含有する
すべての物の製造・輸入・譲渡・提供・使用の禁止。

比較的、軽量な屋根材として良く使われていた
スレート屋根(カラーベスト、コロニアルなど)の耐用年数は、概ね
15年 から 20年